「京の着倒れ、大阪の食い倒れ」に対して「名古屋の貯め倒れ」といいます。
名古屋人は倹約家で質素で計算高く、どこへ出かけるにも財布と相談して、無駄遣いは絶対にしないのです。
たとえば、名古屋駅では、駅前のレストランは8時にはほとんどが店を閉めてしまいます。
大きな駅なのに人通りも絶え、真っ暗になってしまいます。
その代わり屋台のラーメン屋が建ち並び、結構客が入ります。
倹約家の名古屋人が相手では、レストランは早じまいするしかないのです。
そうして節約したお金を、名古屋人はせっせと貯金します。
ですから当然、貯蓄率は全国でもトップクラスになります。
そのせいか、愛知県には銀行が非常に多くあります。
人口当たりの比率は全国いちばんになるし、愛知県出身者は銀行家としてもじつに有能なんだそうです。
ただし、貯金の方法がいかにも名古屋的で、ひとつの銀行にまとめて預けることはせず、いくつもに分散させます。
もうひとつ、東京などと比べて目立つのは「タンス貯金」の多さです。
とにかく名古屋人は熱心にお金を貯めるようです。
これだけ手堅いので、銀行も安心して資金の融資ができるのですが、困ったことに借りてくれる人が少ないんだそうです。